いらっしゃいませ さとる文庫へようこそ
あけましておめでとうございます。
みなさま 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年の初めは恒例の貧乏神さんのお話。
「桜の福の神 いちょうの貧乏神」というお話です。
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こちら桜の福の神さま いちょうの貧乏神さま
ある村に一本の桜の木がありました。
そのそばには一軒の家があり、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らして居りました。
そのお隣には一本のいちょうの木がありました。
そのそばにも一軒の家があり、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らして居りました。
桜の木の家は桜のおじいさん、桜のおばあさんと呼ばれていました。
いちょうの木の家はいちょうのおじいさん、いちょうのおばあさんと呼ばれていました。
この桜の木には福の神さまが、いちょうの木には貧乏神さまが住んでおられました。
「福の兄じゃ 今日もええ天気じゃのぉ〜」
「おぉ びんよ そうじゃの 今日もええ日じゃ」
お二人はとても仲のいい兄弟の神様でした。
いつも二人一緒に村を見守っていました。
そしてお隣同士の二軒はとても仲がよかったのです。
春は桜の木の下で仲良くお花見をしました。
「おぉ今年の桜もみごとじゃなぁ。桜の。」
「ほんに みごとじゃ。いちょうの。」
「さぁ 桜の木の神様 いちょうの木の神様もどうぞ」
桜のおばあさんといちょうのおばあさんは 精一杯のごちそうを桜の木といちょうの木に供えました。
秋はこがね色の葉を見上げながら、仲良くギンナン拾いです。
「今年もギンナンがたくさん実りましたねぇ。いちょうのおばあさん。」
「本当にありがたいですねぇ。桜のおばあさん。」
「いちょうの木の神様 今年もたくさんのギンナンをありがとうございます。」
そうしておだやかに季節はすぎていきました。
ある年の冬の日 村にはたちの悪い病が流行りました。
とても高い熱がでて、たくさんの村人が苦しみ始めたのです。
それからだれとはなく「病はいちょうの木の貧乏神さまのせいではないか」と村人たちが言い始めました。
そしてとうとう村人たちはいちょうの木を切り倒そうとやってきました。
「みんな待ってくれ。悪い病気はいちょうの木の神さまのせいじゃない。」
「そうじゃ みんな落ち着け。」
「この木はこの村を見守ってくれているんですよ。」
「この桜の木といちょうの木の神さまはとても仲のいい兄弟神さまじゃ。どうか木を切るなんて言わないでおくれ。」
いちょうのおじいさんおばあさん、桜のおじいさんおばあさんはいちょうを切り倒そうとする村人たちを一生懸命止めました。
村人たちは仲のいい兄弟の神さまのことを聞き、木を切り倒すのをやめて帰って行きました。
その夜のこと トントンと戸を叩く音がします。
「だれじゃ こんな夜中に」
と桜のおじいさん、おばあさんが外へ出てみると、ちょうどいちょうのおじいさん、おばあさんも外へでておりました。
ふと見ると桜といちょうの木の間に福の神さまと貧乏神さまが立っておられるではありませんか。
「桜のじいさん、ばあさん いちょうのじいさん、ばあさん 先ほどは弟が世話になったの。」
「いちょうのじいさん、ばあさん 桜のじいさん、ばあさん ありがとうの。おかげでわしの家が切り倒されずにすんだわい。」
そいういうと福の神さまはコメ俵を、貧乏神さまはたくさんのギンナンを持ってこられました。
「いちょうの木の枝を切って火を焚き、粥を炊いて村人たちにふるまうのじゃ。」
「ギンナンを煎って粥に3粒入れろ。」
「さすれば病はおさまる。」
そう言うと福の神さまと貧乏神様はそれぞれの木に帰って行かれました。
次の日の朝 おじいさん、おばあさんたちはさっそく言われた通り、いちょうの枝を切り、火をおこし、粥を炊きました。
そしてギンナンを3粒浮かべた粥を村人たちにふるまいました。
そのギンナンはとても美しい宝石のような翡翠色をしています。
不思議なことにギンナンを一粒食べると熱が下がり、二粒食べると体がらくになり、三粒食べると力がわいてきました。
こうして村人たちはみんな元気になり、桜の木といちょうの木を村の守り神として大切に守り続けました。
創作ブロガーのみなさま
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
<業務連絡>
雫石鉄也さん
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願いいたします
お正月いかがお過ごしでしょう。
新年早々ですが「笑顔の男」という作品を朗読させていただきたいのです。
よろしくお願いいたします。
作品はオリジナルです。
朗読の無断配布はしないでください。
BGMは音楽研究所さまよりお借りしております。
フリー素材サイトさま
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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