2021年01月03日

第561回 桜の福の神 いちょうの貧乏神

いらっしゃいませ さとる文庫へようこそ

あけましておめでとうございます。
みなさま 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年の初めは恒例の貧乏神さんのお話。
「桜の福の神 いちょうの貧乏神」というお話です。



桜の福の神さま いちょうの貧乏神さま

ある村に一本の桜の木がありました。
そのそばには一軒の家があり、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らして居りました。

そのお隣には一本のいちょうの木がありました。
そのそばにも一軒の家があり、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らして居りました。

桜の木の家は桜のおじいさん、桜のおばあさんと呼ばれていました。
いちょうの木の家はいちょうのおじいさん、いちょうのおばあさんと呼ばれていました。

この桜の木には福の神さまが、いちょうの木には貧乏神さまが住んでおられました。
「福の兄じゃ 今日もええ天気じゃのぉ〜」
「おぉ びんよ そうじゃの 今日もええ日じゃ」
お二人はとても仲のいい兄弟の神様でした。
いつも二人一緒に村を見守っていました。

そしてお隣同士の二軒はとても仲がよかったのです。
春は桜の木の下で仲良くお花見をしました。

「おぉ今年の桜もみごとじゃなぁ。桜の。」
「ほんに みごとじゃ。いちょうの。」
「さぁ 桜の木の神様 いちょうの木の神様もどうぞ」
桜のおばあさんといちょうのおばあさんは 精一杯のごちそうを桜の木といちょうの木に供えました。

秋はこがね色の葉を見上げながら、仲良くギンナン拾いです。

「今年もギンナンがたくさん実りましたねぇ。いちょうのおばあさん。」
「本当にありがたいですねぇ。桜のおばあさん。」
「いちょうの木の神様 今年もたくさんのギンナンをありがとうございます。」
そうしておだやかに季節はすぎていきました。

ある年の冬の日 村にはたちの悪い病が流行りました。
とても高い熱がでて、たくさんの村人が苦しみ始めたのです。
それからだれとはなく「病はいちょうの木の貧乏神さまのせいではないか」と村人たちが言い始めました。
そしてとうとう村人たちはいちょうの木を切り倒そうとやってきました。

「みんな待ってくれ。悪い病気はいちょうの木の神さまのせいじゃない。」
「そうじゃ みんな落ち着け。」
「この木はこの村を見守ってくれているんですよ。」
「この桜の木といちょうの木の神さまはとても仲のいい兄弟神さまじゃ。どうか木を切るなんて言わないでおくれ。」

いちょうのおじいさんおばあさん、桜のおじいさんおばあさんはいちょうを切り倒そうとする村人たちを一生懸命止めました。

村人たちは仲のいい兄弟の神さまのことを聞き、木を切り倒すのをやめて帰って行きました。

その夜のこと トントンと戸を叩く音がします。
「だれじゃ こんな夜中に」
と桜のおじいさん、おばあさんが外へ出てみると、ちょうどいちょうのおじいさん、おばあさんも外へでておりました。
ふと見ると桜といちょうの木の間に福の神さまと貧乏神さまが立っておられるではありませんか。

「桜のじいさん、ばあさん いちょうのじいさん、ばあさん 先ほどは弟が世話になったの。」
「いちょうのじいさん、ばあさん 桜のじいさん、ばあさん ありがとうの。おかげでわしの家が切り倒されずにすんだわい。」

そいういうと福の神さまはコメ俵を、貧乏神さまはたくさんのギンナンを持ってこられました。

「いちょうの木の枝を切って火を焚き、粥を炊いて村人たちにふるまうのじゃ。」
「ギンナンを煎って粥に3粒入れろ。」
「さすれば病はおさまる。」

そう言うと福の神さまと貧乏神様はそれぞれの木に帰って行かれました。

次の日の朝 おじいさん、おばあさんたちはさっそく言われた通り、いちょうの枝を切り、火をおこし、粥を炊きました。
そしてギンナンを3粒浮かべた粥を村人たちにふるまいました。
そのギンナンはとても美しい宝石のような翡翠色をしています。
不思議なことにギンナンを一粒食べると熱が下がり、二粒食べると体がらくになり、三粒食べると力がわいてきました。

こうして村人たちはみんな元気になり、桜の木といちょうの木を村の守り神として大切に守り続けました。



創作ブロガーのみなさま 
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

<業務連絡> 
雫石鉄也さん
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願いいたします

お正月いかがお過ごしでしょう。
新年早々ですが「笑顔の男」という作品を朗読させていただきたいのです。
よろしくお願いいたします。


作品はオリジナルです。
朗読の無断配布はしないでください。

BGMは音楽研究所さまよりお借りしております。

フリー素材サイトさま
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
各サイトへは左サイドバーよりリンクしています。
posted by もぐら at 10:00| Comment(6) | オリジナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マスク着用がストレスを生み、免疫力を低下させる。
手を消毒すれば常在菌が死滅し、免疫力の低下につながる。
まさに禍福の関係は単純じゃないですね。

あけおめて ことよろし

Posted by Tome館長 at 2021年01月03日 12:59
もぐらさんへ

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
お正月、私も家族も機嫌よくすごしておりました。
「笑顔の男」朗読OKです。楽しみにしてます。
Posted by 雫石鉄也 at 2021年01月04日 03:49
<Tome館長さん>
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願いいたします

食事はよく噛んでゆっくり食べて、お風呂に入ってしっかり温まって
ぐっすり寝て、朝起きる。あ、これ幸せかも。
っていうのが今のところ私の免疫力の維持ですね。
細かい事は突き詰めず、思い込むのも大事。(≧▽≦)

お正月はどこにも出かけなかったので、この録音のときに初めて
声に出して「あけましておめでとうございます」って言いました。

ありがとうございます。
Posted by もぐら at 2021年01月05日 00:34
<雫石鉄也さん>

今年のお正月も美味しいお酒を召し上がっていらっしゃるかな?と
思いながら業務連絡を書かせていただきました。
いつもありがとうございます。

今年のえべっさんは福男選びも中止だし、私も参拝はやめるつもりです。
早くコロナがおさまってくれることを願うばかりです。
Posted by もぐら at 2021年01月05日 00:43
執筆、お疲れさまでした。

八少女夕さんのscriviamo!から、今年もお邪魔しました。
貧乏神さまのシリーズ、毎年楽しく拝読しています。
今年は、桜の福の神と銀杏の貧乏神のお話で、神様同士も仲良しの兄弟だし、住みつかれた家のおじいさんとおばあさんも仲良し。花見も銀杏拾いも、とても楽しそうで、序盤からほっこりさせてもらいました。
悪い病気が流行って、銀杏の木を切るという騒ぎになり、ひやっとしましたが、最後はめでたしめでたしで良かったです。
「貧乏神」と言っても、この銀杏の神様は、実益的な恵みを与えてくれる、じつはもうひとりの「福の神」なんじゃないかなぁと思いました。
ところで、翡翠色の銀杏、いわゆる「走り」の銀杏ですね。高級食材というイメージですけど、なんらかの薬効もあったのかな……なんてヤボは言っちゃいけませんね。
Posted by TOM−F at 2021年02月17日 17:59
<TOM-Fさん>
お越しくださってありがとうございます。

今年の貧乏神さんは初めて一からオリジナルでした。
福の神さまと貧乏神さんは対神というお話もあります。
まさに禍福は糾える縄の如しかなぁと思いながら書きました。
楽しんでいただけて本当に嬉しいです。


銀杏の薬効ですが、調べてみたんですよ。(*^^*)
でも翡翠色の銀杏は「はしり」で「高級食材」なんですか。
知らなかったです。
薬効は変わって来るのかなぁ。(^^;)
昔は本当に咳止めに使われていたらしいです。
今は5粒でも中毒が出るときがあるという記事もあったので3粒にしました。
小心者(≧▽≦)

ありがとうございます。
Posted by もぐら at 2021年02月20日 00:18
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